空き家の維持費は、税金や保険などの定期支出、見回り・草木の管理費、修繕などの不定期支出を分けると把握しやすくなります。
全国一律の年額を当てはめるより、納税通知書・契約書・請求書から自分の家の金額を集め、年単位で足すことが先です。
まだ見積もりを取っていない修繕費は0円にせず、未確定の欄へ分けておきましょう。
毎年かかる額と、今年だけの支出・これから必要な見積もりを分けると、維持を続ける予算を考えやすくなります。
維持費を、支払いの周期ごとに一覧へまとめる
最初に直近1年の支払いと、次の1年に予定している作業を並べます。
同じ名目でも、毎月の契約費、季節の作業、数年に一度の修繕は支払い方が違います。
家財の一括処分、相続手続き、解体などは、継続的な維持費と混ぜず、一時費用として別に整理してください。
| 費目 | 確認する資料 | 年額へ整理する方法 |
|---|---|---|
| 固定資産税・都市計画税 | 当該物件の納税通知書・課税明細 | 年額を記入。土地と家屋、他の所有物件を分ける |
| 建物・家財の保険 | 保険証券・更新案内 | 保険期間と対象を見て比較用の年額を整理 |
| 電気・水道・ガス・通信等 | 契約内容・請求書 | 基本料金と使用料を含めた継続費用 |
| 見回り・委託・交通 | 管理契約・訪問記録 | 月額×月数、または1回費用×回数 |
| 庭木・除草・清掃・除雪 | 前年実績・見積書 | 必要な回数と含む作業で合計 |
| 修繕・点検・マンション固有費 | 見積書・管理組合の通知等 | 修繕積立金等の定期分と臨時分を分ける |
月払いを12倍した数字と年払いの通知額を重複して足さず、いつ実際に支払うかも併記すると資金の準備に使えます。
税金と保険は、空き家の現在の状態に合わせて確かめる
固定資産税は通知書から、変更は税担当窓口で確認する
住んでいないから税金がなくなると考えず、物件の納税通知書で土地・家屋の課税明細を確認します。
同じ所有者の複数物件が載っている場合は、対象の空き家分を分けて集計してください。
国土交通省の空家法の説明は、管理不全空家や特定空家について、指導に従わず勧告を受けると住宅用地特例が受けられなくなることを案内しています。
空き家になっただけで税額全体が一律に6倍になる、という意味ではありません。
実際の課税や特例の扱いに疑問がある場合は、所在地と通知書の明細を用意して物件所在地の税担当窓口へ確認しましょう。
保険は、居住状況と補償内容を契約先へ伝える
日本損害保険協会の告知・通知事項の案内は、建物の構造・用法の変更などを通知事項の例として挙げています。
空き家になった事実が、すべての契約で同じ扱いになると決めず、利用状況、空き家になる時期、家財の有無を保険会社や代理店へ伝えてください。
保険料だけでなく、対象が建物か家財か、補償範囲、免責金額、契約を続けられる条件を確認します。
複数年分を一括払いした場合は、支払済み額をそのまま毎年の支出にせず、比較用の年額と更新時の支払額を分けておきましょう。
ライフラインは、使わない料金と管理に必要な契約を分ける
使っていない月も基本料金がかかる契約があるため、請求書で契約プランと利用量を見ます。
一方で、通水や換気設備、防犯機器などに必要な契約まで止めると、予定していた管理を続けられない場合があります。
管理を依頼しているなら、水道・電気を継続する条件があるか、解約・休止後にできなくなる作業は何かを先に聞いてください。
見直す順は、利用目的のない契約を探す、契約先へ休止・解約・再開の条件を聞く、管理方法への影響を確かめる、の流れです。
水抜きや長期不使用の設備の処置は別に必要になるため、料金を止める手続きだけで完了としないようにしましょう。
設備の契約を見直す前に、空き家の換気・通水と冬の水抜きの条件を確認すると、残すべき管理作業を整理できます。
自分で通う費用と管理委託は、同じ作業範囲で比較する
自分で通う場合は、交通費・駐車代・道具・処分費などを訪問回数で合計します。
家族に頼む場合も、誰が交通費や作業費を負担するかを決めておくと、継続しやすくなります。
管理委託は、屋外だけか室内も含むか、換気・通水・写真報告・郵便物・臨時点検がそれぞれ対象かをそろえて比較してください。
一社の料金例から、年額と別料金を分ける
三ツ仲の空き家管理支援センターは、東京・神奈川・埼玉・千葉を提供地域とし、月1回訪問の戸建てプランとして、屋外中心の月額2,750円(税込)と、室内作業を含む月額6,600円(税込)を掲載しています。
2026年10月21日に確認した一社の例で、全国相場や個別物件への確定見積もりではありません。
同じ月額で12か月続けた場合は、それぞれ33,000円、79,200円になります。
両者の差額46,200円だけを見るのではなく、自分に必要な室内確認等を別に頼む費用まで合わせて比べましょう。
同社の庭木・雑草の目視確認と剪定・除草の実作業は別で、臨時点検等も月額に含むとは限りません。
「管理費に含む」と書かれた作業をもう一度別枠へ足していないか、反対に別料金の作業を抜かしていないかを、見積書で照合しましょう。
年間予算は、確定・仮定・未見積もりを分けて計算する
次は計算方法を示すための仮の例です。
固定資産税・都市計画税の合計70,000円、保険20,000円、ライフライン18,000円、帰省交通費24,000円、別途の庭作業20,000円と仮定し、前節の屋外管理33,000円を組み合わせます。
70,000+20,000+18,000+24,000+20,000+33,000=185,000円です。
これらの仮定額を相場や推奨予算には使わず、自分の通知書・契約・見積もりの金額へ置き換えてください。
この例で屋外管理を室内作業付き79,200円へ変更すると、他の条件が同じなら231,200円になります。
| 欄 | 書き方の例 |
|---|---|
| 確認できた定期支出 | 通知書・契約書の金額と対象期間を記載 |
| 予定する作業 | 見積額、作業範囲、回数、税込区分を記載 |
| 未見積もり | 屋根補修などの内容・見積依頼先・回答予定日を記載 |
| 実際の支払時期 | 納期、更新月、工事代金の支払予定を記載 |
屋根補修などが未見積もりなら、この合計だけで年間費用が確定したとは扱いません。
月平均へ直す場合も支払いが毎月均等になるわけではなく、税や保険の更新月に必要な手元資金は別に確かめましょう。
節約は、不要な契約と作業の重複から見直す
最初に見直しやすいのは、使っていない契約、同じ作業を複数の人へ頼んでいる箇所、訪問ごとに繰り返す移動です。
帰省時に室内整理や業者との立会いをまとめ、間の巡回だけを委託するなど、必要な作業を分ける方法もあります。
漏水や落下のおそれなど、先に対応すべき不具合まで先送りして費用を抑えるのではなく、修繕先へ緊急性と見積もりを確認してください。
今後使う予定がなく、維持費や見回りを続けられない場合は、次に判断する日を決めて、自治体の空き家相談窓口や不動産の対応先へ利用方針を相談します。
売却・賃貸・解体には別の条件と費用があるため、維持費の年額だけで有利不利を決めないようにしましょう。
見回りの担当や異常時の連絡体制を決める場合は、遠方の空き家を管理するための全体の進め方へまとめています。
現地へ通う負担が大きい場合は、ダレカニの現地確認・空き家管理カテゴリーで、物件の地域に対応するサービスを探せます。
依頼したい作業、室内への立入り、鍵の扱い、報告方法、追加費用を掲載先ごとに確かめてから相談してください。
参考にした情報
記載内容とサービス条件の確認日は2026年10月21日です。


